ハトと歓声と美大生

美大生らしくない一般人の日常をつらつらと書く

6.友達と美大生

今、僕の住んでいる部屋で、いい歳こいた男たちが雑魚寝している。僕を含めて4人。僕はいびきをたててねむる3人の間で、こんなことを書いている。 東京にきてだいぶ経った。4月1日にここにきてから2ヶ月。 新居の床は絵の具で少し汚れてしまった。すでにいろ…

5.五月の桜と美大生

5月の半ばになった。殆ど散ってしまった桜を見ると、入学式がもう遠くのように感じる。 授業にも慣れ、サークルにも入った。僕は大学生を実感することなく、勝手に大学生になっていた。 友達もできた。僕が口下手でこんな陰気なブログを書いていても友達はで…

4.途中経過と美大生

授業が始まった。 しかし、僕はまだ、第一志望の大学に受かってさえ悩みが尽きることはなかった。 友人関係も困っていないし、大きなミスもしていない今の現状に文句や悩みがあるのは贅沢なのだろうけど、以前からの僕の悩みであるコミュニケーション能力は…

3.入学式と美大生

人がぞろぞろと体育館の中へと吸い込まれていく。中は静かな曲が流れていて、会場はざわめきで満たされていた。左から強いライトの光が他人の顔を照らしていた。 僕は美大生になるという実感も、余裕もない状況で入学式を迎えた。遠くの方で教授や学長の声が…

2.美大入学までの怠惰と美大生

暇だ。暇である。恐ろしく暇すぎて自分の欠点が受験生の頃よりも明確に見えてきた。あの頃は目の前には英語や国語、絵しかなかった。でも合格してから目の前はスッと晴れて見晴らしが良くなった。それに自分と向き合う機会が増えたし、友達や大人と喋る機会…

1.ブログ開設と美大生

ブログを始めるひとは普通、どんな動機があって始めるんだろう。あと、どんな書き出しだったのだろう。 僕は誰も見ていないブログの出だしでさえ、こんな風に世間体を気にしてしまう。 こんな自分が僕は好きじゃない。僕が求める自分の理想像はもっとスタイ…